レポート
2019.05.31
Mi's navi ゲストハウス『音楽が共通言語になる場所』
かつて宿場町として栄えた小田原。
その小田原に今、いわゆる「ゲストハウス」と呼ばれる宿泊施設が、じわじわと増えています。
「ゲストハウス」のイメージといえば、
・リーズナブルな料金
・外国人客の多い、インターナショナルな雰囲気
・スタッフや宿泊客、地域の人との交流
といったところだと思いますが、
一軒一軒を見てみると、特徴も仕組みも千差万別!
それぞれにオリジナリティあふれるスタイルで、小田原を訪れたお客さんを魅了しています。
彼ら彼女らは、なぜ「ゲストハウス」を小田原でやろうと思ったのか?
どういう思いで、そのスタイルをつくりあげたのか?
日々どうお客さんとふれあい、今後、もっとどうしていたきいと思っているのか?
苦労していることも含めて、お話をうかがってきました。
その小田原に今、いわゆる「ゲストハウス」と呼ばれる宿泊施設が、じわじわと増えています。
「ゲストハウス」のイメージといえば、
・リーズナブルな料金
・外国人客の多い、インターナショナルな雰囲気
・スタッフや宿泊客、地域の人との交流
といったところだと思いますが、
一軒一軒を見てみると、特徴も仕組みも千差万別!
それぞれにオリジナリティあふれるスタイルで、小田原を訪れたお客さんを魅了しています。
彼ら彼女らは、なぜ「ゲストハウス」を小田原でやろうと思ったのか?
どういう思いで、そのスタイルをつくりあげたのか?
日々どうお客さんとふれあい、今後、もっとどうしていたきいと思っているのか?
苦労していることも含めて、お話をうかがってきました。
【Tipy records inn】一番のテーマは『音楽が共通言語になる場所』
今までにお客さんが持ち込んだレコードやCD。
[創業] 2018年
[場所]〈東通り商店街〉と〈うらちょう商店街〉の間の住宅エリア
[部屋] 部屋貸し/1棟貸し
[予約] 予約サイト/HP
[特徴]
・戸建てやアパートの部屋を利用した
〝民泊スタイル〟
・〝自国のレコードやCDを持参すると500円割引〟サービス
[コンセプト・やりたいこと]
『音楽が共通言語になる場所』
[場所]〈東通り商店街〉と〈うらちょう商店街〉の間の住宅エリア
[部屋] 部屋貸し/1棟貸し
[予約] 予約サイト/HP
[特徴]
・戸建てやアパートの部屋を利用した
〝民泊スタイル〟
・〝自国のレコードやCDを持参すると500円割引〟サービス
[コンセプト・やりたいこと]
『音楽が共通言語になる場所』
ゲストハウスをやろうと思ったきっかけ&経緯って?
日本の民家といった趣きの玄関(house)。
「まず、普通に人と交流することが好き」と、オーナーの内田佑介さん・麻美さんご夫妻。
もともと運送業や飲食業で働いていた佑介さんですが、もっと色んな人に会えたらと、箱根でバスの運転手をしていた経験も。
「お客さんに道を聞かれたりして、普通に知ってるから教えると、すごく感謝されるし、その顔を見てバスに乗って帰るっていうのが楽しみでもありました」
一方で、そんな佑介さんの仕事の生活面でのハードさが、麻美さんにとっては心配でもありました。
家族としての生活を大切にしつつ、人と交流できる仕事…
ということで、候補に上がったのが、”ゲストハウス”でした。
友人たちと遊ぶときにも、”おもてなし”をするのが好きだったという2人、「性に合ってるんだと思います」。
さらに、ずっと音楽をやっていた佑介さんにとっては、90~95%が海外客だというここの、どことなく”カオス”な空気も、とても魅力的に感じるそう。
「スリッパでお風呂入ってビショビショみたいな(笑)毎日奇想天外なことが起きる。異文化なんですよ、もう。小田原、日本の常識が通じないんです、ここの中だけは」
もともと運送業や飲食業で働いていた佑介さんですが、もっと色んな人に会えたらと、箱根でバスの運転手をしていた経験も。
「お客さんに道を聞かれたりして、普通に知ってるから教えると、すごく感謝されるし、その顔を見てバスに乗って帰るっていうのが楽しみでもありました」
一方で、そんな佑介さんの仕事の生活面でのハードさが、麻美さんにとっては心配でもありました。
家族としての生活を大切にしつつ、人と交流できる仕事…
ということで、候補に上がったのが、”ゲストハウス”でした。
友人たちと遊ぶときにも、”おもてなし”をするのが好きだったという2人、「性に合ってるんだと思います」。
さらに、ずっと音楽をやっていた佑介さんにとっては、90~95%が海外客だというここの、どことなく”カオス”な空気も、とても魅力的に感じるそう。
「スリッパでお風呂入ってビショビショみたいな(笑)毎日奇想天外なことが起きる。異文化なんですよ、もう。小田原、日本の常識が通じないんです、ここの中だけは」
ここを選んだ理由・魅力は?
繁華街からうらちょう商店街へ向かう道。
駅から歩ける範囲で物件を探していたところ、たまたま今の場所にめぐり合ったそう。
「結果、めちゃくちゃよかった」
駅から来ると急に雰囲気が変わる感じが気に入ってる、とも話します。
「ちょっと、おやおや?ってゾーンになる(笑)」
駅から近いけれど、住宅がたくさんあり、昼間も静か、車もあまり走ってない。
「結果、めちゃくちゃよかった」
駅から来ると急に雰囲気が変わる感じが気に入ってる、とも話します。
「ちょっと、おやおや?ってゾーンになる(笑)」
駅から近いけれど、住宅がたくさんあり、昼間も静か、車もあまり走ってない。
東通り商店街付近。(小田原駅東口から広がる)
かと思えば、商店街には地元の人がやってる居酒屋があったり、宿の窓からはドンキホーテの明かりが見える。
民泊スタイルのここには、海外から”日本のローカル”を味わいたくて来ている人も多く、そのニーズにとても合っているのだそうです。
「駅前とはまた何か違う、本当の住んでる人、小田原の人がいる、みたいな感じ」
民泊スタイルのここには、海外から”日本のローカル”を味わいたくて来ている人も多く、そのニーズにとても合っているのだそうです。
「駅前とはまた何か違う、本当の住んでる人、小田原の人がいる、みたいな感じ」
「Tipy records inn」らしさって?
〈民泊スタイル〉
どちらかというと「海外よりだと思う」と言う2人。
メインで使用する『Airbnb』は、主に〝民泊〟用の予約サイト。
お客さん自身も、”サービスを受けよう”という感覚でなく、”あの人のお家にお世話になる”という感覚でやってくるのだそうです。
「お客さんと僕ら側が協力して、”いい時間”を過ごそうとしてる。お互いにそれが目的なんで、それこそトラブルがあっても、全然問題ない、みたいなことも多いです」
どちらかというと「海外よりだと思う」と言う2人。
メインで使用する『Airbnb』は、主に〝民泊〟用の予約サイト。
お客さん自身も、”サービスを受けよう”という感覚でなく、”あの人のお家にお世話になる”という感覚でやってくるのだそうです。
「お客さんと僕ら側が協力して、”いい時間”を過ごそうとしてる。お互いにそれが目的なんで、それこそトラブルがあっても、全然問題ない、みたいなことも多いです」
1棟貸しのhouse。イベント会場として使用されることも多い。
床の間の部屋とキッチンが続く、house1階スペース。
宿泊者用の共同キッチン。(Tipy records inn)
お客さんが持参した音楽と、そのストーリー。
〈自国の音楽持参での割引サービス〉
”自国の思い出のレコードやCDと、その音楽とのストーリーを書いた専用の用紙を持参すると、宿泊料金から500円割引”
というのも、ここの大きな特徴。
「”音楽が共通言語になる場所”になったらいい」という思いを象徴するサービスです。
入口には、持ち込まれたレコードやCDがストーリーとともに並べられています。
”自国の思い出のレコードやCDと、その音楽とのストーリーを書いた専用の用紙を持参すると、宿泊料金から500円割引”
というのも、ここの大きな特徴。
「”音楽が共通言語になる場所”になったらいい」という思いを象徴するサービスです。
入口には、持ち込まれたレコードやCDがストーリーとともに並べられています。
ゲストハウス×”音楽”
バンドでのライブ風景。(佑介さん提供/ライブハウス「姿麗人」/2011年)
ずっとバンドをやっていた佑介さん。
でも、メンバーはそれぞれの人生もあり、頻繁に活動はできない。
「バンドやりたいなあーって」フラストレーションがたまっていたそうです。
そんな時、ふと、「バンドじゃない手段でもやれるよな、って」。
そもそも、何を求めて”バンド”をやりたいと思っていたかといえば、「自分がいたからその人の人生が変わるとか、そういう”きっかけや瞬間をつくれる場所”をやりたかったんだって」。
でも、メンバーはそれぞれの人生もあり、頻繁に活動はできない。
「バンドやりたいなあーって」フラストレーションがたまっていたそうです。
そんな時、ふと、「バンドじゃない手段でもやれるよな、って」。
そもそも、何を求めて”バンド”をやりたいと思っていたかといえば、「自分がいたからその人の人生が変わるとか、そういう”きっかけや瞬間をつくれる場所”をやりたかったんだって」。
2年ほど前、「Guitar&Coffee まほらま」にて。(佑介さん提供)
中学半ばで学校に行かなくなった佑介さんにとって、その"場所"は"レコード屋"だったのだそう。
「将来何やりたいか決まってないのに、皆で同じ勉強をする意味がわからなかった。10代の頃は、学校に通うように"レコード屋"に行ってました」
「将来何やりたいか決まってないのに、皆で同じ勉強をする意味がわからなかった。10代の頃は、学校に通うように"レコード屋"に行ってました」
バンドでのライブ風景。(佑介さん提供/ライブハウス「姿麗人」/2011年)
パフォーマンスで場の空気をつくっていく"ライブハウス"での経験も、そう思うようになったきっかけ
のひとつ。
「"場”をつくりたい。だから、ゲストハウスや、ここでのイベント、そういう一個一個やってて、その後も何かできたらいいなと思ってるって感じ」
のひとつ。
「"場”をつくりたい。だから、ゲストハウスや、ここでのイベント、そういう一個一個やってて、その後も何かできたらいいなと思ってるって感じ」
イベント開催風景。(ALL YOURS「着たくないのに毎日着てしまう服」試着会/2019年)
イベント開催風景。(ALL YOURS「着たくないのに毎日着てしまう服」トーク/2019年)
課題、苦労してることって?
ふだん作業をすることが多いinnの一室。
「最初は少し心配もあったけど、近隣の方もとても優しくて、興味を持ってくれて。お客さんが道に迷っていたら案内してくれたり。地元の人の優しさを感じてます」と2人。
経営面については「儲かる商売じゃない」と笑いながらも、「だから、自分たちが頑張んないと、というのはある」。
Airbnbでの事前決済など「テクノロジーの進化によって助かってる」部分を最大限活用し、ストレスが軽減されるような仕組みづくりを、現在工夫している最中なのだそう。
「そんなところですかね。大変だけど、楽しい」
経営面については「儲かる商売じゃない」と笑いながらも、「だから、自分たちが頑張んないと、というのはある」。
Airbnbでの事前決済など「テクノロジーの進化によって助かってる」部分を最大限活用し、ストレスが軽減されるような仕組みづくりを、現在工夫している最中なのだそう。
「そんなところですかね。大変だけど、楽しい」
今後の展望&方向性
将来的な話になると、夢はいろいろある、と佑介さん。
「ライブハウスやりたいとか、飲食店やってみたいとか、お客さんが持って来たレコードについてもっと掘り下げてお客さんたちが話しするようなスペースを作りたい、とか…」
要は、”人を集めて、楽しいことをここで何か起こしたい”、のだという。
「アバウトではあるけど、それが”音楽”であったり、ライブハウスをつくりたいとか、そういうのがあるなかのひとつとして、人が集まる”宿”かな、みたいな」
「ライブハウスやりたいとか、飲食店やってみたいとか、お客さんが持って来たレコードについてもっと掘り下げてお客さんたちが話しするようなスペースを作りたい、とか…」
要は、”人を集めて、楽しいことをここで何か起こしたい”、のだという。
「アバウトではあるけど、それが”音楽”であったり、ライブハウスをつくりたいとか、そういうのがあるなかのひとつとして、人が集まる”宿”かな、みたいな」
佑介さん自ら襖に貼った、赤富士の絵。(house)
元々の居住者のピアノなども、そのまま部屋のアイテムとして。(house)
近隣のアパート内3部屋も、新たな部屋として仲間入りした。(Tipy records room)
広い和室はイベントスペースとしても活用。(house)
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