小田原発、ライフスタイルを考えるメディア

レポート

2025.06.20

小田原の魅力を「地元発信」で伝えるインフルエンサー「オダワラの」さんが語る、小田原愛と情報発信の理由【「オダワラの」さん】

「オダワラの」と聞いて、小田原で Instagram をチェックしている人ならピンと来るはず。
おしゃれな飲食店や地域の風景を独自の視点で切り取る写真と言葉がフォロワーの共感を 呼び、今や "小田原を代表するインフルエンサー" のひとりとなっています。

今回のインタビューでは「オダワラの」さんがなぜ情報発信を始めたのか、どんな思いで 小田原に向き合っているのか。そして、SNS 発信を通じて広がった「つながり」や、これから挑戦したいことまでじっくりお話を伺いました。
 

【「オダワラの」Instagramはこちら】(外部サイト)

「出ない理由がないほど好き」。発信の原点は ”ただ好きだったから”

「最初は、"ただ地元が好きだから" という思いがあっただけなんです」

そう語る「オダワラの」さんは、小田原市浜町、かまぼこ通り近くで生まれ育った生粋の小田原っ子。三の丸小学校、城山中学校という地元の学校を卒業し、子どもの頃からまちの空気を全身で吸い込んできました。
就職と同時に上京してアパレルメーカーに勤務しながら東京で暮らしたものの、同居していた姉の結婚を機に再び小田原の実家へ戻ることに。そこで再確認したのが、小田原というまちへの強い愛着でした。

「地元を離れてみて初めて気づくことってあると思うんです。電車で1時間で東京にも行けるし、海も山もある。飲食店もおいしいし、人もあたたかい。なんでこんなに好きなんだろう?って考えていたら、 "この魅力、もっと広めなきゃ" って思いが湧いてきたんですよね」

名前の由来は「余白」の美学

「オダワラの」ロゴ
「オダワラの」というユニークなアカウント名。その由来も伺いました。

「 "小田原の○○" って、いろんな言葉が続くじゃないですか。小田原の海、小田原の食、小田原の人…。僕の発信が、その "○○" を埋めるヒントになればいいなと思って、「オダワラの」って名乗ることにしたんです」

言葉の「余白」に、見る人それぞれが自分の「小田原」を重ねられる。そんな想いが込められていました。

Instagramでの発信が「地産地消」のカタチに

「オダワラの」さんのアカウントには、小田原の飲食店やスポットを中心に、センスのある写真と軽やかな言葉が並びます。

「テーマにしているのは、 "市民満足" と "クリエイティブの地産地消" です。地元で完結できることは、地元の中でやっていこうという考えですね」

この考えの背景には、小田原に本社を置く企業でさえ、SNS 運用を都内の代理店に委託しているという実情があります。

「地元の企業が東京の代理店にPRを依頼して、その代理店から僕に声がかかるっていう、何段階も経たルートで話がくることがあるんですよ。正直、もったいないなって。 "小田原のことを一番よく知ってるのは地元の人たちなのに" って思うんです」

だからこそ、自らが発信者となり、地域に根ざしたクリエイティブの価値を証明しようとしているのです。

小田原の "食" に感じる奥深さと広がるつながり

「オダワラの」さんの投稿でも特に目を引くのが、小田原の飲食店を紹介する内容。そのきっかけは意外なものでした。

「地元にいると、あんまり外食しないんですよ。でも実際に行ってみたら、どのお店も "ウマッ" てなる(笑)。それで、知らないと損だなって思って発信し始めました」

今ではフォロワーから「このお店行ってみてください」とDM(ダイレクトメッセージ)が届くことも多く、グルメ情報をきっかけにした地域との対話が生まれています。

「ラーメン屋を紹介すると、『あそこもおすすめ!』ってコメントが来たり、DMで『うちの店もどうですか?』なんて相談が来たり。ちょっとしたグルメ調査員みたいになってます (笑)」

実際に投稿された飲食店の紹介画像。今ではさまざまな調査依頼も寄せられているそう。

発信活動を通じて得た "つながり"

情報発信が広がる中で、地域の方との繋がりについても伺いました。

「様々なつながりが生まれましたが、最近では、そういった "つながり" から地元企業とのコラボ商品『ちっくすパック』が誕生しました。老舗のかまぼこ屋の伊勢兼さんと市内でスポーツジムを経営しているグッドライフジムさん、それぞれから「何か一緒に出来ないか?」と相談がありました。

そこで、「じゃあ一緒にやってみよう」って流れで、自分がつなぎ合わせる役目となって実現したんです。まさに "つながり" がカタチになった例ですね」。

この取り組みは、地域のまちづくりに貢献する若者や若者団体の活動を表彰する「おだわら未来アワード」も受賞し、さらに注目を集めています。
 

おだわら未来アワード2024の詳細はこちら
「オダワラの」さんが“きっかけ”となり、つながりから生まれた「ちっくすパック」
おだわら未来アワードの表彰式の様子(※オダワラのさんは映っていません)

暮らしのなかに“歴史”があるということ

「小田原の一番の魅力って何ですか?」と尋ねると、「うーん、難しいですね」と少し考えたあと、「でも、歴史的な建物が街中に普通にあるって、すごいことじゃないですか?」と語ってくれた「オダワラの」さん。

小田原城はもちろん、なりわい交流館や清閑亭など、市内には歴史ある建物が数多く残されていて、その多くが一般に開放されています。「オダワラの」さんも、少し前に「旧松本剛吉別邸」でワーケーションを体験したのだとか。

「こういう建物って、他のまちではなかなか見かけないし、そもそも『ある』こと自体がすごいと思うんですよね」。

小田原は、歴史ある建物と現代の暮らしが自然に寄り添うまち。
新しすぎず、古すぎず、「ちょうどいい」。そんな空気感が、「オダワラの」さんにとっての心地よさにつながっているのかもしれません。


「僕が育った浜町は、本町や南町もすぐ近くで、小学校もそのエリア。暮らしの中に歴史があるっていうのが当たり前の感覚だったんです。」

あたりまえのように歴史と暮らす。それが小田原らしさの一つ。
「オダワラの」さんの言葉から、そんなまちの魅力がにじみ出ていました。

旧松本剛吉別邸
旧松本剛吉別邸

なんとなく、足が向く。お気に入りの場所たち

「ここ、なんとなくよく行くんです」

「オダワラの」さんがそんなふうに話してくれたのは、浜町の海辺の公園。子どものころからよく遊んでいた思い出のスポットなのだとか。

「時間が空いたとき、なんとなく立ち寄って、波の音を聞きながらぼーっとしたり。取材の合間に少し寄ることもあります」

特別な理由がなくても、自然と足が向く場所がある。そんな日常こそが、小田原に暮らす魅力のひとつかもしれません。

「オダワラの」さんがよく訪れる公園の風景。波音とともに、ゆったりとした時間が流れている。

もうひとつ、よく利用しているのが「小田原三の丸ホール」の2階。

「ちょっと作業したいときに行くんですけど、静かで人も少なくて、すごく集中できるんですよ」
眼下には小田原城が見えて、景色も抜群です。

どれも「オダワラの」さんが日常の中で自然と向かってしまう場所たち。移住を考える人にとっても、「そんな自分だけのお気に入り」が見つかるまち、小田原の魅力が感じられます。

小田原三の丸ホール2階からの眺め。小田原城天守閣をはじめ、常盤木門、銅門、馬出門まで見渡せる。

「困ったら DM ください」—小田原移住を考えているあなたへ

「オダワラの」さんに小田原への移住を検討している方へのメッセージをお願いしました。
返ってきたのは、ちょっと意外で、でもとても「オダワラの」さんらしい言葉でした。

「困ったことがあったら、僕に DM ください(笑)」

また、「移住体験ツアーみたいなことも、機会があればやってみたいんですよね」とも。
「たとえば 2 時間だけでも、一緒に小田原のまちを歩いてみるとか。そういうことを通して、実際の暮らしの雰囲気を肌で感じてもらえたら嬉しいです」。

SNS の向こうにいる人と、リアルな関わりが生まれることに前向きな姿勢。 その飾らない言葉に、「オダワラの」さんがこのまちを心から楽しんでいる様子がにじみ出ていました。

「ほんとに DM して大丈夫ですか?」という確認にも、にっこりと「全然いいですよ!」と答えてくれたその笑顔が、とても印象的でした。 

グルメだけじゃない!暮らしに寄り添う発信へ

これから「オダワラの」さんが取り組んでいきたいことや発信していきたいことについても伺いました。

「これからもグルメの発信は続けていきますよ」

そう話してくれた「オダワラの」さんですが、実は今後は "食" にとどまらない発信を考えているそうです。

これまで小田原市内の飲食店や事業所の紹介を中心に届けてきた情報を、もっと暮らしに寄り添ったものへと広げていく構想があるのだとか。

「たとえば、保育園や幼稚園の情報とか。申込みの時期って意外とみんな知らなかったりするんですよ。そういうリアルな声をもとに、"選ぶときのポイント"とかをまとめた発信もやってみたいなって思ってます」。

特に、住まいや子育てに関心のある方、そして働くママに向けた情報発信に力を入れていきたいという想いが感じられました。

毎週末、イベント情報など、暮らしに役立つ情報も発信している。

さらに、Instagramとは別軸で「いつか形にしたい」と語ってくれたのが、フリーペーパーの制作。

「広げたらポスターみたいに "飾れる" フリーペーパーを作ってってみたいんですよね。お店の紹介にもなるし、そこに登場する人たちにとっても、ちょっと誇らしい一枚になるような」

おしゃれでクリエイティブな紙面を通して、小田原の魅力をもっと多くの人に届けたい。そんなビジョンを描きながら、仲間たちと一緒に少しずつ準備を進めているのだそうです。

「できれば季刊で出したいなと思っていて。年内にまず1号目を形にできたら」 

インスタグラムから始まった活動が、地域の暮らしへ、紙のメディアへ、そして人と人をつなぐリアルな場へと広がっていく。その中心には、いつも「オダワラの」さんのまっすぐな好奇心と、ちょっと照れながらも誰かの役に立ちたいという想いがあるように感じました。

 

その他にも、小田原駅周辺には「オダワラの」さんのマンホールも!

小田原は「挑戦できるまち」

最後に、「小田原を一言で表すと?」と尋ねたところ、「オダワラの」さんから返ってきたのは力強いこの言葉でした。

「挑戦できるまち、ですね」 

「頑張った分、ちゃんと見返りがあると感じるんです。私は SNS を通してですが、すごく実感していて。困ったときに "力貸すよ" って言ってくれる人が本当に多いんですよ

また、特に印象的だったのは、小田原という土地が持つ "始めやすさ"。

「都内と違って、何かを始めるときに、そんなにお金がかからない。小さく始められる場所も増えてきていて、規模感も自分に合ってるなって思います」。

そして、もうひとつ。「オダワラの」さんが感じているのは、小田原の"ちょうどよさ"です。

「都内では "もっともっと" って感じのお店も多いけど、小田原って "足りてます" っていうスタンスの人が多くて。それってすごく健全だし、だからこそ無理せず続けられる環境なのかなって思います」

過剰にアピールしすぎない。けれど、本当に必要なことを、必要な人に届けようとする誠実さが、このまちにはある。
だからこそ、安心して挑戦できる。そんな空気があるのかもしれません。

小田原に関するさまざまな情報を発信している「オダワラの」さん。 カバー画像からも、その多彩な発信内容と挑戦心が伝わってきます。

あなたの目で感じてみてください。小田原の日常

「オダワラの」さんが、オダワラボとタッグを組み、小田原の移住PR動画を制作してくれました。
 

画面にあふれるのは、小田原の日常の風景たち。
海、山、城、街角。
忙しく過ぎていく一日も、ふとした瞬間にやさしさを感じられる、そんなまちの表情がリズミカルに描かれています。


この動画には、特別な演出も、決まったセリフもありません。あるのは、「オダワラの」さんの目線で見た“ありのままの小田原”。暮らすように歩き、出会い、感じた風景たちです。


ぜひ動画を通じて、小田原の空気感を感じてみてください。
あなたの「ちょうどいい暮らし」が、ここから見つかるかもしれません。

移住に関するご相談はこちら

小田原市の暮らしに興味がある方、実際に移住を検討している方を対象に、様々な移住サポートメニューをご用意しています。子育て環境、教育のこと、住まいのこと、買い物事情や仕事のことなど、皆様の疑問を解決します。気になる制度や施設などのご案内も行いますので、お気軽に利用してください。先輩移住者のお話を聞きたい方も大歓迎です!

ページトップ