移住
子育ても仕事も自分次第!先輩移住者のリアル座談会
まちのコミュニティ・子育て【全部答えます決定版】
海と山が近く、都心へのアクセスもいい小田原。自然の中での子育てに惹かれて移住を検討しているものの、「一歩がなかなか踏み出せない…」と感じている方も多いのではないでしょうか。そんなあなたに向けて、出産や転勤をきっかけに小田原へ移り住んだ移住者、そして地元で子育て支援に関わる人たちが、「小田原で子育て」のリアルを語ってもらいました。
「都心から越してきて、疎外感はない?」「車がないと買い物は不便?」など、移住前に気になる疑問を、率直に話しています。
少し肩の力を抜いて、ありのままのあなたと家族がのびのび過ごせる毎日、新しいコミュニティや働き方との出会いなど、そんな小田原暮らしを感じていただける記事になっています。
この座談会は、小田原市が令和7年11月22日(土)に開催した移住ツアー「子育てのヒントが見つかる一日!小田原移住バスツアー ~保育園見学編~」の先輩移住者3名による特別インタビュー企画です。
ツアー当日の様子はこちらからご覧いただけます。
【移住体感ツアー開催レポート】子育ても仕事も。先輩パパママに聞くリアルトークセッション&保育園見学ツアー
登壇者の皆さん
髙島 健史さん
40歳パパ/移住者/みちしるべラボ 共同代表/小田原パパ塾/命を大切にする小田原を創る会
妻が妊娠中に静岡から移住し、自然豊かな小田原で子どもたちとのびのびと暮らしています。コロナ禍で子育てや仕事の環境が大きく変わる中、「パパ同士でつながれる場所がないよね」という声から、父親たちの居場所づくりとして「小田原パパ塾」を立ち上げました。
“みんなの子どもはおれの子ども”を合言葉に、父親たちが悩みを共有し、楽しく学び合えるコミュニティとして活動を続けています。
山本 加世さん
NPO法人mama's hug 代表
小田原・南町でmama’s hugを運営。産後ケアや地域の食堂活動を通して、子育て世代が安心して集える場所づくりに取り組んでいます。報徳二宮神社に隣接する「報徳二宮神社経営の箱根口ガレージ報徳広場」では、地域食堂を神社と共同運営。さらに、小田原市から委託を受けてファミリーサポートセンターの事業も担い、子育てを支える人と家庭をつなぐ架け橋として活動しています。
長久保 靖子さん
30代ママ/移住者/書道師範/デザイナー/株式会社桃秀デザイン代表
5年前に千葉から小田原へ移住。夫の転職先が静岡、私の勤務先が東京で、その中間地点だったことがきっかけでした。
新幹線で東京まで35分、海のある暮らしに惹かれています。産後に起業し、現在はコワーキングスペース「ARUYO ODAWARA」を拠点に地域で活動しながら、5歳と3歳の男の子を育てています。
インタビュアー・コアゼ ユウスケ
Tipy records inn 代表
小田原駅徒歩3分、空き家を利用した全室個室ゲストハウスTipy records innを運営。小田原の魅力を日々発信しながら、お試し移住も実施。宿泊を経て移住した人は70人を超えます。誰かの何かがはじまっちゃうキッカケを数々と提供しています。
Q1. 小田原に移住したきっかけは?
コアゼさん
さっそくなのですが、小田原に移住しようと思ったきっかけや経緯を聞かせてください。
長久保さん
はい、私の場合は、夫の転職がきっかけでした。私は東京勤務で、夫は静岡だったので、中間地点を探そうと選ぶことに。小田原には縁もゆかりもなく、「新幹線で東京に出られる」という理由がいちばん大きかったです。実際に住んでみたら、本当に通勤が楽。それがきっかけで小田原を気に入るようになりました。
引っ越したときは妊娠中で、小田原で出産しました。今はこどもが二人います。仕事にも変化があって、こっちに来てから会社員をやめて、自営業になりました。書道の仕事とデザインの仕事をしながら、小田原を拠点に働いています。
髙島さん
それまでは静岡に住んでいたんですけど、途中で私だけが「東京転勤」になってしまって。 じゃあどうする?となったときに、二人とも新幹線を使える場所がいいよねということで、小田原を選びました。市内で引越しもしていますが、ずっと小田原駅周辺エリアで暮らしています。
今は個人事業主です。地域活動にも力を入れています。もともと「ずっと会社にいなくてもいいかな」という気持ちはどこかにあって、こどもが生まれたことも大きかったです。
せっかくだから、もう少しこどものためになるようなことをしたいなと思い、思い切って夫婦で会社を辞めました。貯金や資産を見直して、「なんとかなるかも」という見通しを立ててからの決断でした。
コアゼさん
山本さん
母の結婚を機に一度、小田原を離れているので、生粋の「小田原育ち」ではないけれど、私はあまり小田原から出たいと思ったことがなくて。自分のこどももここで産んで育てています。
実は私、こどもがあまり好きじゃなかったんです。でも、ベビーマッサージと出会って、こどもを好きになれた。そこで「NPO法人mama's hug(以下、ママズハグ)」の前身団体を始めました。やっていくうちに、親のほうが困っていることが多いと気づき、母親支援に力を入れるようになったんです。
そうした思いの中、小田原市でファミリーサポートセンター (以下、ファミサポ)のプロポーザルが出たのをきっかけに、もっと広く深く子育てに関わりたいと思って、「子育てを手伝いたい人」と「手伝ってほしい人」をつなぐファミサポの運営を始めました。
Q2. どうやって子育て情報を集めるの?
コアゼさん
長久保さん
「#小田原ランチ」「#小田原移住」「#小田原大好き」みたいなハッシュタグをひたすら見て、とにかく感度を上げる感じで。あとはもう、「美味しいお店どこかな?」くらいのノリで、カフェやごはん屋さんを巡っていました。
コロナ禍でやっているお店が少なかったんですけど、その中で移住者の方がやっている喫茶店を見つけて、通うようになって。そこから「小田原で子育てするならママズハグ(ファミサポ)に行くといいよ」とか、「マルシェやナイトマーケットに行くのもおすすめだよ」って教えてもらって、じゃあ行ってみようかって。
移住者向けの交流会やイベントもあったので、家族でどんどん出かけていって、そこで情報を集めたり、街の人とつながっていった感じです。振り返ると、“紹介でつながる”ことが本当に多かったです。
やっぱり子育てでいちばん不安だったのは、「つながりがないこと」でした。何かあったときに頼れる人がいるか、情報を教えてもらえる場所があるか。踏み込んでみたらみんなすごくウェルカムで、「じゃあこの人につなげるね」みたいに、どんどん線がつながっていく、という感覚があります。
髙島さん
知り合いもほとんどいなくて。きっかけはコロナ禍でした。もともとあった場所やイベントが全部閉まって、「あ、本当に何もない。つらいな」って。そこで、少し自分から動かなきゃなって思い始めました。
その頃、保育園の先生に「パパの交流会があるよ」って声をかけてもらって、「あなた当然来るよね?」みたいな感じで(笑)。自分から飛び込んだというより、気づいたら流れに巻き込まれていた感じです。でもその交流会には同じような思いを持っている人もいて、「移住してきて知り合いがいない」という話をしただけで、ちょっと涙が出そうになるくらい心がほどけた感覚があって。家に帰って妻に「今日、友達できた」って報告したのを覚えています。
その時に集まった4人で、子育てコミュニティ「小田原パパ塾」 を作りました。
同じ頃に、小田原のために何かしたい人や小田原のことを学びたい人、新たな仲間や地域とつながりたい人のための2年間の学びの場である「おだわら市民学校」にも参加するようになって、子育てという軸と、地域という軸が、少しずつつながっていった感じです。
それまでは、平日は仕事して帰ってご飯食べて寝る、土日は疲れながら買い出しして、たまに公園。イベントにも行くけど“お客さん”として参加して「楽しかったね」で帰るだけ。中に入って知り合いを作るところまで行けなかった。
そこで踏み出す勇気があるかどうかだったんだと気付きました。
「助けすぎず」に支え合う街
山本さん
距離感がちょうどいいんですよね。もし「ここに来れば全部面倒みるよ」ってなると、その人が自分で選ぶ余地を奪ってしまう。「これが正解だから、ここに来なよ」も違う。必要なのは、選択肢を知ってもらうこと、そのための情報を手渡すこと。支えるって、そういうことだと思います。
コアゼさん
山本さん
移住者の方は、前のめりに「情報を取りにいく姿勢」があるなと感じます。
ただ、みんながみんな“どこに情報があるか”を最初から知っているわけじゃない。だから入口として、子育て支援センターの情報配信(LINE等) みたいな、公式の導線はすごく大きいですね。そこに入ると、イベントもコミュニティも見えてきます。
みなさん共通のおすすめは「マロニエ子育てネットワーク」の公式LINE(運営:ぎんがむら)
Q3. 暮らしのリアル「スーパー」と「交通事情」は?
山本さん
コアゼさん
長久保さん
妊娠していたし、新幹線にすぐ乗れる距離が良かった。車も持っていませんでした。まず駅の近くにどんなスーパーがあるか調べて、歩いて行ってみたりして、「バスもあるしなんとかなるかな」と生活をイメージしていました。内見や街歩きも1〜2回して、雰囲気を見てから決めました。実際に住んでいる方の話も伺いましたね。
車を買ったのは、一人目を産んだ後です。ベビーカーでのバス移動はきついし、気に入った小児科が駅から少し離れていて通うのが大変になって。車があると、森林アウトドアパーク「小田原市いこいの森」 や少し遠い公園にも行けるし、箱根の温泉にもふらっと行ける。そういう“暮らしのワクワク”が増えました。
コアゼさん
髙島さんはお家選びや普段の買い物、どうでした?
髙島さん
ただ当初は引っ越しまで時間がなくて、とりあえず空いてるところに入ったんですけど……そこが暗かったんですよ。全く日が入らなくて、だんだん気持ちが沈んで。「太陽が欲しい」って本気で思いました。引っ越しを検討していたら景色がよくて日当たりのいい家が見つかって、そこに移った直後にコロナ禍に入ったので本当にギリギリでした。
買い物も最初は迷いました。地元で有名と言われるスーパーに行っても「店舗によって違うな」と感じたり、物足りなさを感じたり。ある日、別のスーパーを見つけたときに、あまりの便利さに「これで小田原で生きていける」って(笑)。暮らしの手応えって、こういうところに出ますよね。
一同
髙島さん
そうやって少しずつ、自分たちの“定番”を見つけていった感じです。買い物に関しては、日々の積み重ねでしたね。
長久保さん
Q4. 移住先コミュニティへの不安はつきもの?
コアゼさん
山本さん
コアゼさん
ママズハグのロゴ
ママズハグの外観
山本さん
ところで、移住したお二人に伺いたかったんですが、小田原は「ちょうどいい田舎で、ちょうどいい都会」って言う反面、隣近所との“心の治安”はどうでした?小田原の場合、治安そのものはそんなに悪くないけど…。
長久保さん
ちょうど出産後に、保健師さんが自宅に訪問してくれる機会もあって、そのときに少し深い話を聞きました。コミュニティ自体は入りやすそうだけど、正直、どこでも安心、というわけじゃないだろうなという警戒心はありました。
なので、仲良くなったママさんに「この団体って大丈夫ですか?」とか、「雰囲気どうですか?」みたいなことを、こっそり聞いて自分に合いそうかを確認しながら、場所を選んでいきました。
父の居場所づくりが、まちの居場所になった
髙島さん
「入ったら抜けられないんじゃないか」とか、「合わなくても関わり続けなきゃいけないのは嫌だな」とか。関わらなくても生活はできるから、このままいくのかなと思っていましたね。
その頃はまだ育休を取るのが当たり前じゃなくて、「え、休むの?」みたいな空気が強かったんです。周りには子育てに関わっていない男性が多くて、地域にも知り合いがいない。仕事と子育ての板挟みのしんどさを共有できる相手がいなかったんです。
でも、実際に小田原で出会ったパパさんたちと集まってみたら、「それ、めっちゃわかる」って共感の連続で。じゃあ同じ人は他にもいるよね、となって「小田原パパ塾」でSNSで発信を始め、イベントを続けていきました。ポスター作成が得意な人が来ればデザインが良くなり、ロゴを整える人が入れば見え方が変わる。できる人ができることを持ち寄ると、コミュニティはちゃんと育つんだ、と実感しました。
Q5. 「起業したくなる街」と思える理由は?
コアゼさん
山本さん
東京にも通えるし仕事も続けられる。でも気づいたら、起業してる人が多い。それって、土壌があるんだと思います。人との距離感や、チャレンジしても浮かない雰囲気。「やってみたら?」って背中を押す空気。
だんだん、「通勤したくなくなる」という話も聞きます(笑)。「会社に行く」より「こっちに帰ってきた」って言う人が増える。小田原がただの居住地じゃなくて、自分の拠点になっていく感覚があるんだと思います。
長久保さん
子どものため、と考えすぎると自分がいっぱいいっぱいになる。まず大人が楽しくないと、こどもも楽しくない。だから「ワクワクする場所に住もう」って夫婦で話しました。
小田原で出会ったのは、「本当に好きなことで店をやっている人」「価値観を大事にしながら働き方を変えている人」たちでした。ロールモデルが身近にたくさんいたんです。
東京だと「書道やってます」と言っても埋もれてしまう。でも小田原だと、「書道の靖子さんね」って覚えてもらえる。声をかけてもらえる。自分ができることを発揮する場がある。「ここなら会社を辞めてもなんとかやっていけるかもしれない」「楽しめるかもしれない」と思えたことが、今につながっています。
最後に:この記事を読んでいるあなたへ
髙島さん
だんだん見栄のための物欲もなくなって、「こうしなきゃ」「周りに合わせなきゃ」が軽くなる。息苦しさを感じている人が来たら、「こんなに楽に生きてていいの?」って空気を味わえるかもしれない。
だから気軽に来てほしいですね。山の空気、川の空気、人のおおらかさ。見栄じゃなくて「自分の中で楽しい」を見つけられる場所だと思います。
長久保さん
そうすると「あ、こういうのもありなんだ」って気づけると思うんです。
できれば、一度住んでみる(お試し移住)のもおすすめです。移住体験、ツアー、移住イベント、市役所の担当の方とオンラインで話すのもいい。きっと、価値観が変わる瞬間があります。迷っているなら、ぜひ一度小田原に来てみてください。
山本さん
小田原には、仕事の仕方だけじゃなくて、生き方や在り方を選び直せる余地がある。
子育て世代だけじゃなく、お年寄りの移住もそうだし、「戦闘服を脱いで生きる」という選択もできる。 “選択肢がちゃんとある場所”なんだと思うし、それを誇らしく感じています。だからこそ、この記事を読んでいる人たちにも、そのまま伝えたいですね。
コアゼさん
移住を検討中の方は、ぜひ下記からもご相談お待ちしています。小田原で会えることを楽しみにしています。
今回、座談会の会場として利用させていただいたのは…
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