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レポート

2023.07.27

【mi's navi】「鴨宮」は便利、かつ"自然が隣にある"ような地域。「富士山がすごく綺麗に見える」/ 橘髙佳音さん

橘髙さん。国府津のBLEND COWORKINGにて
橘髙さん。国府津のBLEND COWORKINGにて

「小田原」と一言で言っても、それぞれエリアによって見える景色も違えば、たたずまい、生活している人、まちの空気も違います。

大型店舗が並ぶ巡礼街道

大型店舗が並ぶ巡礼街道

今回の舞台は「鴨宮(かものみや)」。 JR東海道線「小田原駅」の隣駅「鴨宮駅」周辺のエリアで、大型商業施設や映画館などが立ち並ぶ、近隣の市町の方も訪れる買い物や娯楽の中心地。

それでいて、海が近く、箱根・足柄・丹沢などの雄大な自然に囲まれ、住宅街には生活の気配もあふれているような、まさに「小田原ライフ」といった地域です。
街道の行き交う鴨宮のまち

街道の行き交う鴨宮のまち

2020年、そんな鴨宮に東京から移住してきたのが、 橘髙佳音さん。きっかけは、当時、猛威を振るっていた「新型コロナウイルス感染症」でした。会社の感染症対策で、2020年の早い段階でリモート勤務になったことは、自称「超インドア」の橘髙さんにとって嬉しい面もあったものの、「いざ一週間、都心の中の狭い部屋で缶詰になって、誰とも会わずに仕事をしていたら、ちょっと滅入ってしまったんです」

そんな鬱々とした気分から脱しようと、好きな"海"の見える土地への引っ越しを決意。出会ったのが小田原、そして鴨宮でした。そんな橘髙さんの鴨宮での暮らしや、現在の仕事である『自伐型林業』について、またそのワークスタイルや、"旅とお酒と歩くことが好き" という日々の生活について、お話をうかがってきました。

ある日パッて扉開けたら富士山が見えて。 「ええ!?知らなかった!」みたいな(笑)

鴨宮駅周辺の様子

鴨宮駅ホーム

・月数回の都内への出勤が苦でない距離
・海に近い場所
・現在と同程度の家賃で、より広い間取りの部屋

…などの条件で浮上した、鴨宮という地。

「前の会社でお世話になった人に小田原から通ってる方がいて、当時は『遠いですねー』という印象だったんですが、実際に来てみると、たまに1時間ちょっと乗るくらい大丈夫だなって。電車好きなので」と、周辺の情報について下調べすることなく、通勤の気分を肌で感じつつ現地に向かったそうです。「来たら、小田原の雰囲気がすごくよくて。気に入ってしまって」。不動産屋さんの案内で何軒かの物件を見た後、鴨宮への移住を即決しました。
鴨宮にある大型ショッピングモール。

鴨宮にある大型ショッピングモール。

鴨宮に移住された方の多くが語る"買い物の便利さ"については、住み始めてすぐに実感。「買い物には困らないですね。土日になると、いろんなエリアから買い物をしに車がワーッて来るじゃないですか。買い物エリアまで近いので、ちょっとした優越感がありますね。まあ、私は車を持っていないので、買ったものを背負って帰ってるんですけど」と笑いながらも、快適な生活に満足げな様子です。
鴨宮から見える富士山

鴨宮から見える富士山

そんな橘髙さんにとって衝撃だったのは、何といっても"富士山の近さ"。 「ある日、出かけようってパッて扉開けたら、富士山が見えて。ええ!?知らなかった!みたいな(笑)」 小田原駅周辺からはあまり見えない"富士山"が、晴れた日には近くに綺麗に見えるのも、実は鴨宮の隠れたメリット。もちろん、そもそもの移住の動機であった"海"についても、「嬉しすぎて、引っ越してきてすぐに、コンビニでビールを買って海を見ながら飲んでました」と、堪能されていました。

求めていたものが当たり前にある日々。 鬱々としようがありません。
橘髙さんが初めて訪れたという国府津の海

橘髙さんが初めて訪れたという国府津の海

水路で優雅に鴨が泳いでいたり、神社の桜が綺麗だったり。 都会では見られない風景。「歩いてて楽しいです」

「1時間くらいならどこでも歩く」という橘髙さんにとって、鴨宮は、お散歩エリアとしてもお気に入りの場所。一番好きなのは"水路"だそう。鴨宮はもともと田んぼが多い地域でもあり、住宅街のあちこちには今も水路がめぐり、毎日、勢いよく音を立てながら水が流れています。「水路で優雅に鴨が泳いでたり、神社の桜が綺麗だったり」

"東海道"をはじめ、"巡礼街道"や、かつてあった"富士道"など、歴史や謂れのある道が東に西に行き交っているのも、鴨宮の特徴。その中にはひっそりと神社仏閣もたたずみ、季節季節で咲く花が住民の心を潤してもいます。「"自然が隣にある"ような地域。気持ちがいいところです」

そして、橘髙さんの「歩く」範囲は、市内にとどまらず、その"東海道"のかつての宿場町である大磯や箱根まで広がる時もあります。「足、死にます(笑)でも、楽しいです。風祭駅を通った時には、あっここ箱根駅伝のとこや! って」

橘髙さんならではの"ウォーキングライフ"の拠点としても楽しんでいるようです。

鴨宮の住宅街を流れる水路

鴨宮の住宅街を流れる水路

春には桜も咲く春光院

春には桜も咲く春光院

水路には魚の姿も

水路には魚の姿も

転職先の団体の事務局長が隣駅に!? 住んでみてから気づいた不思議な巡り合わせと、心地いい住環境

橘髙さん。国府津のBLEND COWORKINGにて。
橘髙さん。国府津のBLEND COWORKINGにて。

復興支援の活動をする会社に勤めていた橘髙さんですが、移住後、前職の先輩に誘われ、『自伐型林業推進協会(以下、自伐協)』に転職。最大の驚きは、そこの事務局長・上垣喜寛さんが、隣駅 「国府津駅」周辺に住む”移住者”でもあっ たことでした。

転職先は『自伐型林業推進協会』。研修のアテンド中に一息ついてる橘高さん

転職先は『自伐型林業推進協会』。研修のアテンド中に一息ついてる橘高さん

事務所自体は東京に所在、スタッフは全国各地に居住(業務はリモート、出張等で対応)という、ユニークな体制をとっている団体ですが、その自由度を保ちつつ、「隣駅に上司とその家族が住んでる」安心感が、橘髙さんの慣れない土地での心細さを払拭させる要素ともなっていきました。

橘髙さんは、本人曰く「すごく簡単にいうと、"伐採するのは少しの量で、負担をかけずに山を整備しましょう"という団体」である『自伐協』の中で、自治体への事業提案や推進、助成金事業の管理や研修のサポートなどを担当しています。出張も多いですが、メインはリモートでの作業。そんな中で業務をこなしていくのにも、鴨宮は「めちゃめちゃいい環境」と話します。 

「すごく"住み良い"んですよ。気候がいいし、人が多すぎるわけでも、 少なすぎるわけでもない。買い物もすぐ行ける。気分転換に、散歩にも海にも行ける」 住んでみてはじめて気がつく、鴨宮の魅力かもしれません。

鴨宮駅ロータリー
鴨宮駅ロータリー

心の導くままに選び取った"気持ちがいいところ"で、これからも自分らしく

今後やってみたいことは、「小田原のお店の開拓」。お酒が好きだけれども、自称「超インドア」ということもあって"家飲み派"な橘髙さん。自宅にはお酒が沢山並んでいるそうですが、「美味しいお店がたくさんあると聞いたので、知りたいです」と、まちのお店にも足を踏み入れてみたいとのことでした。 仕事のスタイル、仕事のペースは、今のままで。 今後東京に戻る可能性を尋ねたところ、「絶対に戻らない」と笑いながらも断言。 「小田原は人も建物もゆとりがあって、のんびりしていて、疲れないですし、自分には合っていますね」 心の導くままに選び取った"気持ちがいいところ"、「鴨宮」。これからもここで、自分らしく働き、暮らし、楽しみを広げていくことを思い描いています。

橘髙さん。国府津のBLEND COWORKINGにて
橘髙さん。国府津のBLEND COWORKINGにて

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