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移住

2021.11.24

令和の二宮金次郎を目指して【阪本さん・移住】

阪本さん
市内のEC(Eコマース)企業への就職をきっかけに小田原に移住した阪本さん。
もともと自然が好きということで、好アクセスながら自然を堪能できる小田原が「直観的に良いと思った」とのことですが、移住後、市民農園を借りて、未経験ながら農業をスタート。
日中、デジタル関係の本業をこなしながら、週末は市民農園で自分の貸し農園を耕す、デジタルとアナログの二足の草鞋。

やっていく中で、「農地」に人と人を『繋ぐ』効果があることを発見した阪本さんは、いま『令和の二宮金次郎』を目指して日々邁進しています。

小田原に移住したきっかけ

出身は大阪で、いまは小田原市内の会社で働いています。就活の時に面接で来るまでは、「小田原」という名前は知っていましたが、来たことはなかったです。日本史で触れるような「北条氏」「城下町」というイメージはありましたが、ここまで自然がいっぱいで好アクセスだということは来てはじめて知りました。

面接のときに、会社の方が「自然がいっぱいあって、ワークライフバランスは最高だよ」と教えてくれて、面接後に市内を散策してました。
小田原駅前は思ったより都会なのに自然が沢山あって「こんなに素晴らしい場所があるのか」と感動しました。
「このまちで、社会人生活をはじめたい!」と思いましたね。

自然が好きでしたし、都会的な生活に憧れはなかったので、小田原で働く・住むということにはまったく違和感はなかったですね。生活のなかの自然だけでなく、キャンプ場や山なども近く、大阪に住んでいた時は、キャンプ場まで車で1時間ぐらいかけていたのですが、小田原だと市内も周辺自治体のキャンプ場もすぐに行けるのでいいですね。

住むエリアについて

「富水」「栢山」は、エリアマップ上の『小田急線沿線エリア』のなかのエリア

社会人1年目の最初の生活なので、住む場所はかなり慎重に、時間をかけました(笑) 物件を15件ぐらいまわりまして、小田原駅前から国府津駅周辺など、市内中を探したと思います。

最終的に栢山・富水エリアの物件に決めたのですが、ベランダから山が見えて、まちからは富士山も見える。
酒匂川が近くて、なんだか自然と一緒に生活できそうな感じが自分にあっているなと感じたのが決め手ですね。

あと、物件をまわっている日が雨で、その物件を見ている時に虹が架かったんですよ(笑)
これは、運命だ!と思い決めました。

今は朝起きて、川沿いの土手を富士山や田園風景を横目にランニングして、川の水で顔を洗って、「よし、1日はじめるぞ!」って気合いれる、みたいな毎日を過ごしています。まさに「自然と共にある」という感じですね。

農業との出会い

阪本さん
小田原市内での就職が決まって、2020年の秋に北海道で2か月間ごぼう農家に住み込みで働いていました。実は、何か思いがあって北海道にいったわけではなくて、本当は海外に行きたかったんですけど、ご存じの通り2020年はコロナ禍でしたので、海外にいくことはできなかったんです。
でも、何か特別な事ができると思い、北海道に行き、ひたすらごぼうと向き合ってました(笑)

ぼんやりと就職するということを考えていましたけど、ごぼうと向き合うなかで、自分の人生とも向き合いまして、

「小田原には自然がいっぱいある。自分は自然が好きだ。小田原というフィールドを生かしてできることをやろう」

という思いになりました。

北海道から帰ってきて、私は会社に入社して、小田原に住むようになり、北海道で出会った仲間たちは各々の勤務地に散っていきました。

でも「農業やりたいよね」という思いはみんな持っていて、自分が小田原に住んでいるというと「小田原って東からも西からもみんな集まりやすいんじゃない?」という話になりまして、「じゃあ自分が農園借りるからみんなで耕そう。とりあえず作ってみちゃおう」という形になりました。

栢山のふれあい農園という貸し農園で農園を借りまして、小さな一歩ですが、「農業」がはじまりました。

人との出会い

貸し農園で農業をする中で様々な人との出会いがありました。

まずは、北海道で出会った仲間たちです。

先述したように、北海道での出会いがなければ、そして、自分が小田原にいなければ、というか、小田原が交通アクセスのよいまちでなければ、農業をやることはなかったかもしれません。

北海道で出会った仲間たちとは、農業のチーム(※1)を結成しまして、いま少しずつ活動をはじめています。
また、「小田原で農園やっているよ」というと、都内の友人たちが手伝いにきてくれたり、知らない人とも「農園」で出会ったりして、まさに"ふれあい農園"ですね(笑)

農園が出会いのプラットフォームとなっているんですよね。
おそらくですが、都内の若い人はいろいろな経験をしたいと思っていて、小田原はアクセスがしやすく、都内からも行きやすいから、そういう状態になるのだろうと思います。
阪本さん

貸し農園きっかけで知り合った仲間

SOW-zo

SOW-ZOのメンバー 左から泉有人、坂本哲也 、阪本寛樹、石田善大(写真未掲載)

(※1)「#農で五感を震わせる」をテーマにワクワクする世界をSOW-ZOする農ユニット
そして、もう一つの出会いが、小田原市民の皆さんです。

農業はほぼ未経験なので、独学でいろいろ調べるのですが、貸し農園で若い人たちがいろいろやっているのが珍しいというのもあると思うのですが、皆さん声をかけてくださっていろいろ教えていただいたり、激励をいただいたりして、ほんとにありがたいです。

小田原ってほんとに人があったかいんですよ。宿場町の気質なのかもしれませんが、許容があるというか、ウェルカムというか。歴史的にそういう文化が根付いているんでしょうね。
普通のフランチャイズのコンビニの店員さんもすごいフレンドリーで個人的な話(笑)とかもしてきて、「すごいなー小田原!」って驚いた記憶もありますね。

二宮金次郎との運命的なめぐりあわせ

栢山の貸し農園を借りたというのも、実は運命めいたものを感じているんです。

富水に住むことになったので、富水に近い場所で貸し農園を探していたところ、栢山に貸し農園があるということを見つけまして、しかも、よくよく調べてみると、二宮金次郎の生誕の地ということで、
「これは運命だ!」と思い、栢山のふれあい農園に連絡しました。

もし、住む場所を富水駅付近ではなくて小田原駅周辺エリアを選んでいたら、栢山の貸し農園は遠くて管理しづらかったでしょうし、そもそも借りてなかったかもしれません。

二宮金次郎のように「地域を超えて社会の為になることを成し遂げたい」という思いは、貸し農園を借りて、小田原の人たちと交流するようになってからさらに強くなっていきました。

野菜作りも、地域づくりも、小さなことを地道にやることが大事だということが身をもってわかりました。まさに「積小為大」(意:小さな事を積み重ねて大きな事を成す。二宮金次郎の言葉)と思いました。

地域をつなげながら、それをさらに大きな流れにするにはどうしたらよいか、それを常に考えながら仕事も農業も過ごしています。

農業の魅力

ナス
自分がゼロからつくったものが、日々成長して、最後に形になるまで、また、誰かに届くまで見届けることができるということですかね。

日々、細かい作業をやりながら、一歩一歩進んでいく、ものづくりの上流から下流まで、その製造過程をすべて見ることができる事ってほかにはないんじゃないかと思います。

日々、草むしりや水やりをしたり、地味で大変なことが多いですが、そうやってコツコツつくりあげていく、というのが一番の魅力だと思います。そうしてコツコツやっていると、野菜はちゃんと成長します。その姿をみて、「野菜も成長しているから自分も成長しないと!」って思えるんですよね(笑)

小田原の魅力

海・川・山、自然が全部あって、それでいて都心へのアクセスが良い っていうのは、いろんな人が言っているので(笑)あえて、別のことを言うと、「人」ですかね。

さっきも人の話をしたんですが、小田原の人は、「自分の仕事だけでなく自分たちの人生を楽しんでやろう」という人が多くて、楽しい人もいっぱいいますし、すぐにいろんな人と繋がれるというのがいいですね。

「これやりたいんですけど」って言うと、誰かが「手伝うよ!」「こんな人いるよ!」って助けてくれたり、教えてくれたりして、物事が進んでいく。その感じがすごくいいですね。

小田原をひとことであらわすと

阪本さん
「余白のあるまち」ですかね。
まだ、未完成なところもある故に、チャレンジする余白があるというか。
自分次第で、まだいくらでも”開墾”できるという感じがあるまちだとおもいます。

今後の野望

阪本さん
「令和の二宮金次郎」です。

金次郎は、農業をやって、農村を改革し、そこから世の中を改革して、まさに世界に「旗を立てた」という感じがありますけども、自分もこの令和の時代に「旗を立てたい」です。

いま本業でやっていることはEC(Eコマース)関連の仕事なので、それと自分の農業を掛け合わせてみて、新しい配達方法を考えてみるとか、時代を創る、時代を変えることを目指していきたいです。

ただ、いきなり大きなことはできないので、まさに「積小為大」です。はじまりは、小さな貸し農園からはじまって、いまその貸し農園の面積も広げて、農業のチームで、農地を借りてみるか、というところまで話がすすんでいます。
いまそのプロジェクトにデザイナーのチームも巻き込んでいて、自分たちのチームや商品のロゴ化やブランディングを考えています。

こうやっていろんな人を巻き込んで、特に若い人を小田原の地に巻き込んでいく、これも野望の一つかもしれませんね。やっぱり、なんとなく若い人が少ない感じはあるので、もっともっと小田原に若い人の流れをつくっていくためのイベントを実施していきたいですね。

1分インタビュー動画はこちら

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