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移住

2023.08.25

応援してくれるプレーヤーが多様で、層が厚いまち【竹内さん・移住】

2021年に都内から移住してきた竹内さん。
「理想の物件」があったことで、"偶然"、小田原へ移住してきた竹内さんは、自身が中心となって行っている「ふろぷろ※」の活動を通じて「小田原は応援してくれるプレーヤーが多様で、層が厚いまち」ということに気がつきました。 偶然に出会ったまち「小田原」はどのように映ったのかお話を伺いました。

※「ふろぷろ」とは
中学生や高校生が地域の課題解決のためにプロジェクトを各々企画・実行する過程を、大学生や事業者など地域全体でサポートする100日間のプログラムです。全国で展開しており、小田原で実施した際には「カラスとの共存」や「ラグビー振興」や「お菓子屋さんをめぐる街歩き」など、若者らしい視点と発想で多くの活動が生まれました。

一般社団法人FROM PROJECT

小田原に住もうと思ったきっかけ

コロナ禍でリモートワーク中心になったことで、仕事に適した広さがある場所に引っ越したいと思い、理想の物件を探していました。とはいえ都内に出ることもあったため、「東京に出やすい場所」として湘南あたりの物件を探し始めたのですが、気に入った物件が見つかりませんでした。

そこで検索範囲を除々に西へ広げていったところ、小田原に行き着きました。広さなどの条件も希望に合い、周辺には自然も多く「ここに住んだら良いかもしれない」ととても気に入り、そこではじめて小田原について深く調べ始めました。

小田原を調べ始めてみて

小田原暮らしを検討する際に、小田原から東京までの電車の乗車時間などを調べました。乗り換え検索サービスで調べると「在来線で1時間半ぐらい」という検索結果が出てきて、少し遠いと感じましたし、電車の混み具合なども実際乗ってみないとわからないので、不安はありました。とはいえ、やっと見つかった物件と周辺環境がとても気に入っていたことから、「この生活環境のために頑張って通う」という心構えで小田原の物件に住むことに決めました。

住み始めてみてから気がついたことは、小田原から東京までの電車利用は意外と快適で、「思ったより近い」ということでした。 というのも、品川駅や東京駅、新宿駅までは乗り換え無しで行けますし、基本的には座ることもできるので、確かに時間はかかりますが身体的・心理的なストレスは無かったんです。時間が短くても、電車を何回も乗り換えたり車内で立ち続けたりという状態のほうが、自分にとってはストレスだったことに気がつきました。

小田原の良いところ・魅力

まずは「グルメ」ですね。とにかくご飯がおいしくて、住み始めてから市内のいろいろなお店に行きました。世間的な小田原のイメージは「魚」や「かまぼこ」の印象が強いと思うのですが、それ以外にも沢山のおいしい料理があって、それだけでも楽しく過ごすことができます。

あとは、市内と隣の市を結ぶ鉄道「大雄山線」の雰囲気が可愛くて大好きなんです。電車のデザインも可愛いですし、全線単線で街の中・家の間を走っていく感じや、駅員さんと普通にコミュニケーションができるといった「ローカル感」がとてもいいですね。自然が近いのもよくて、駅で降りるときにドアが開いた瞬間に、山の香りに全身が包まれるんです。毎回そのタイミングで大きく深呼吸して、自分を回復させています(笑)。

おすすめの過ごし方

小田原市内や周辺のまちには、川や池など水辺で遊べるところが沢山あり、出かけるときはいつも車にレジャーシートを乗せて、気持ちよさそうな場所を見つけたらそれを広げてひと休みするという過ごし方をしています。 小田原市内を流れる大きい川「酒匂川」の川沿いには、とても綺麗な桜の木をはじめ、さまざまな草花を見ることできて、気持ちが癒されますね。

多様な生き方を受け入れ、お互いを応援する雰囲気がある

はじめは「ふろぷろ」の活動を小田原で行うつもりはなかったんですが、新たな活動場所を決める時に私が推薦して実施することになったんです。小田原に住み始めて、このまちは「応援してくれるプレーヤーが多様で、層が厚い」ということに気がつき、活動に適する場所だと思ったからです。

「ふろぷろ」を実施する上で、中学生・高校生たちが考えたプロジェクトの実現をサポートするために「地域のどの人に相談すれば実現に近づけるか」ということを、私自身が誰よりも知っている必要があります。そのため、プロジェクトを始める前は、小田原市内のありとあらゆるイベントに顔を出して名刺を配り続けました。 そうして地域の人に触れていくと、小田原の人は、何か新しいことを始めようとする人を応援したり支えたりする雰囲気があることに気がつきました。

そういった土壌があるだけでなく、「応援する人」の職業や属性が多様なところが小田原らしいユニークな部分と感じました。 いわゆる「地域」「地方創生」といったことを職業としている人だけでなく、普通に暮らしている人でも「地域」の活動に熱い想いをもっている方が多いというのは、小田原の独自のものだと思います。

「ふろぷろ」の活動について

「ふろぷろ小田原」というプログラムを2021年から開始し、第1期、第2期と継続して開催してきた中で、本当に多くの方に支えられてきました。東京から移住したばかりで土地勘も人脈もなかった私が小田原で事業を行うことができたのは、先ほど話したような温かく熱い地元の方々がいたからです。

中学生・高校生たちがそうした地域の人々と交流することで、彼らがいろいろな考え方や価値観を学ぶだけでなく、彼ら自身が次なる「プレーヤー」になっていく成長過程を見るのも、とても面白いと感じています。 地域の素敵な人々からたくさんのことを吸収し、地域全体で育てた中学生・高校生たちがその地域の新しいプレーヤーになっていくという循環を生み出すべく、これからも継続的にプログラムを実施していきたいと考えています。

そのためにまずは、2024年5月から予定している「ふろぷろ小田原第3期」の開催に向けて頑張りたいですね。

”良い"の多様化の実現

”良い"の多様化の実現するにあたって、まずは、それを自分自身が体現したいという思いがあります。

「多様」という言葉にはいろいろな意味が紐づいていると思うのですが、私は「生き方としての多様性」という意味で考えています。 いろいろな生き方やいろいろな肩書き、どれをとってもそれらすべてを”良い"と捉え、そういう状態を世の中、社会が受け入れる・受け止めるというのが「多様性を受け入れる」ということだと思っています。

私自身いろいろな活動をしていますし、いろいろな肩書があるのですが、それは、まずは自分で体現したいという思いからです。

「ふろぷろ」の活動を通じて、中高生たちにいろいろ生き方を提示することで、それぞれが自分の人生について考えてもらうということも目的の一つです。そういう点で、応援してくれるプレーヤーが多様で、いろいろな人の考え方を聞くことができ、多くの人を受けれているまちである小田原は、とても魅力的な地域だと思います。 そんな小田原というフィールドで、生き方としての多様性を私自身が体現できるように、活動を続けていきたいと思います。

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