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移住

2021.06.07

結婚をきっかけに住んでみた小田原が、思ったより楽しい【Capeさん】

―これからも、自分の足で、小田原を満喫したい。そう感じた春うららの午後だった―

神奈川県の中部で生まれ育った私は、2019年9月、結婚を機に小田原に移住してきた。

「移住したからには、小田原を深く楽しもう」。そう思っていた。

しかし、結婚後半年、世界は新型コロナウイルス感染症で一変した。参加したかったイベントも続々と中止が決定。少しナイーブな時期を過ごした。

参加したかったイベントに城下町おだわらツーデーマーチがある。小田原の魅力がつまったコースを歩く秋のウォーキングイベントだ。しかし、2020年に予定されていた第22回大会は延期になってしまった。私の好奇心はそろそろ限界を迎えていた。

そんなわけでやってみました。

セルフ・ツーデーマーチ(写真撮影に夫を従えて…)

12時、自宅を出発。とりあえずの目的地は久野にある「サンサンヒルズ小田原」方面へ。

この日は、4月18日。桜の季節が終わりを告げ、藤が香る。例年より早咲きと言われる御感の藤が揺れる。多くの観光客が小田原城に行くのを横目に、競輪場に続く坂道を昇る。
藤の花
相洋中学校に沿う道ではツツジが私の目を楽しませる。ただの道でも歩くたびに四季折々の発見がある。この坂道、運動不足の足には少々きつい。
ツツジの坂
坂道
坂の途中からは、早川地域が一望できる。
青と緑、人工と自然。「いいところに住んでるな」。そんな言葉が思わずあふれてしまう景色だと思う。
坂の途中
さらに進んでいくと、とりあえずの目的地であるサンサンヒルズ小田原が見えた。

帰り道は気分を変えよう。
ふと目についたのは、左に反れる案内板。「荻窪用水散策コース」の案内板。こちらに行ってみよう、逆コースではあるが。

急勾配の下り坂を進むと、そこは、現世から切り取られたような竹の小道。聞こえてくるのは鳥のさえずりと、小川のせせらぎ。歩くだけで森林セラピーを受けられる。
竹の
小川
今まで通ったことのない道を、進んでいく。冒険心がくすぐられる。
知らない道
道を下っていくと風祭駅にでる。箱根登山鉄道には多くの観光客。そんな界隈を足で回れることに密かな優越感も抱きつつ、ウォーキングを続ける。
風祭
さきほどまでの小川に対して、横を流れるのは早川。この大きな川の先に海があるのだ。日本最古のの上水道といわれる小田原用水もここから分かれている。
早川
小田原用水
歩いていくと、早川口に着く。

余談ではあるが、この分岐点、私は好きなのだ。ウォーキングも好きだけれど、休日は夫とともにドライブに行くことも多い。西に抜ければ、箱根。南に抜ければ、伊豆。東に抜ければ、湘南。「来週のドライブはどこにいこう」。そんなウキウキをこの分岐がいつも与えてくれる。
早川口
旅の終わりに、国道1号沿いにある魚屋に寄る。小田原漁港をはじめ、近海で獲れた新鮮な魚介類が並ぶ。

ハイキングを楽しんだ帰り道に、朝獲れの新鮮な魚を買える。山と海を数時間のうちにどちらも楽しめる。小田原だからこその日常だ。

家に帰ったのは15時過ぎ。15,000歩の小冒険だった。遅起きした休日でも、めいっぱい楽しめる。

実は私は、大学生のころは、東京で暮らしたいと思っていた。でも、思いのほか、小田原が楽しくてたまらない。人のあたたかさ、個性あふれるお店、豊かな自然。
毎日の通勤も、お堀端通りを歩くだけで、日常の価値が上がったように感じている。

これからも、自分の足で、小田原を満喫したい。そう感じた春うららの午後だった。

ライター Capeさん

結婚を機に小田原に移住した、バアムクーヘンと小田原を愛する人。
趣味は散歩と朝活。
小田原のお気に入りスポットはお堀端通り。

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