小田原発、ライフスタイルを考えるメディア

移住

2019.05.07

【mi's navi】つながる育む移住者の輪

歴史と文化を誇り、この地で生まれ育った人たちの営みやつながりを軸に栄えてきた小田原。
その小田原に、近年、続々と都内や各地から移住者がやってきています。
気になってたあのお店のオーナーや最近知り合った面白いあの人がそうだった!とか、心あたりがある人も多いのでは。
この地で新しいビジネスをしようとやってきた方も多く、彼ら彼女らの独自の目線と情熱が、小田原に新鮮な風を吹かせています。
1.なぜ、彼ら彼女らは小田原を選んだのか。
2.小田原のどんなところが、その眼鏡にかない、何がアクションのきっかけとなったのか。
3.そして、今どんな風にここで暮らしているのか。

そういったことが気になってしかたなかった頃…

移住者である2人の女性が、異色のコラボ企画を〈市民交流センターUMECO〉で行うということで、いてもたってもいられず行ってきました!
移住者2名
笑顔が素敵な渕上 久美埜(くみの)さん(左)本木 和子さん(右)
FMおだわらに出演、企画の告知をする本木さん、渕上さん

FMおだわらに出演、企画の告知をする本木さん、渕上さん

2部構成からなる企画のタイトルは、『ストレスセミナー&ローゼンムーヴメント 〜気づいてゆるむ、体感ワークショップ〜』で、前半は本木さんの〝ストレスについてのセミナー〟、後半は渕上さんの〝軽く動いてストレスをリリース〟という、異なるキャリアを持つ2人だからこそできる、新しいスタイルのワークショップです。
2人の出会いは、栄町にある「軽食ワンダフル」

2人の出会いは、栄町にある「軽食ワンダフル」

本木さんと渕上さんが知り合ったのは、お互いが小田原に住むようになってから。
そして、2人とも小田原で起業した個人事業主。
この出会いを活かさない手はない!ということで立ち上がったのが、今回の企画だったそう。
本木さんセミナーの様子

セミナーで話をする本木さん

本木和子さんは平塚市出身。小田原にやってくるまでは、都内在住・在勤で、ご主人の仕事のため、アメリカに住んだこともあるそうです。
子育てしながら働く日々のかたわら、産業カウンセラーの資格を取得していた本木さん。アメリカ滞在中にはさらに大学で心理学を専攻、帰国後はキャリアコンサルタント資格を取得、外資系企業の人事部門責任者としてバリバリ活躍!という、何ともパワフルな経歴の持ち主です。

そんな本木さんが小田原に来たのは、「50パーセントくらいは〝利便性〟がきっかけかな。」とのこと。東京にいた頃から、週末にリフレッシュのため伊豆の方へ行く機会が多かったという、本木さんご夫妻ですが、都内から長距離の運転は年齢のこともあり負担が増してきたそうです。
思い切って途中の地点のどこかに住もうか、と考えていた頃、ふと、「小田原に住んじゃおうかしら」とひらめいたそう。
清閑亭の展示会へ(本木和子さん撮影)

清閑亭の展示会へ(本木和子さん撮影)

夕暮れの桜を眺めに(本木和子さん撮影)

夕暮れの桜を眺めに(本木和子さん撮影)

友人を連れてのまち歩きは「御幸の浜」へ(本木和子さん撮影)

友人を連れてのまち歩きは「御幸の浜」へ(本木和子さん撮影)

その魅力はなんといっても、都内への通勤の便利さ!
当時の本木さんの通勤先は品川駅。小田原から新幹線だと2駅。
「安くはない特急料金ですが、新幹線を使えば小田原から品川まですぐという感じ。複数の電車で都内で通勤していた時と、さほど変わらないのは、驚きでした。」小田原に住んだ方が通勤に便利で快適(ラッシュもない!)。驚くべき事実でした。

とはいえ、本当に小田原に移るのか、それは大きな決断でした。それでもなぜ小田原を選んだかといえば「好奇心」でもありました。
高校の同級生や知り合いが住んだり働いたりしていたので、彼らの話から、小田原について何かと興味を持っていたそうです。
また、訪れた小田原で食べた料理が美味しかったのも印象的で、「小田原の人は、こんな美味しいものをいつも食べられて、うらやましい」と、思ったそうです。
〝通勤への利便性〟からスタートした小田原生活でしたが、多忙を極める仕事を続けることに思うところがあって退職を決意。新たにキャリアコンサルタントとして独立することに。

そして今、実際に住んでみてあらためて「小田原の生活がすごくあってる」と感じているのだそうです。
まず、通勤はなくなりましたが、今も打合せや企業研修の場所は都内も多い。小田原でなければ、距離を理由に受けるのをためらいそうになるビジネスチャンスも、迷うことなく受けられると語ります。
そして、もちろん生活面でも。
背伸びする必要がない。肩肘張らないで大丈夫という感覚。東京は住みにくかったかも」
一方で以前からの小田原への好奇心は、今も日々くすぐられ続けています。
探検したい気持ちにいつもなる。長く住んでいる方は気づかないかもしれませんが、私はどこを歩いたり見てもまだまだ新鮮」
食べるものに加え、海と山があることも、もちろん大きな魅力です。

また、つきあう人の顔が見え、その人たちがゆるくつながっているような土地柄も、人とコミュニケーションをとるのが大好きな本木さんにとっては、関わりやすく、いやすいそう。
何よりも、外からきて商売を始めたい人にとても寛大で、歓迎してくれいるような雰囲気が嬉しい、と。
本木さんにとっては、来るべくして来て、住むべくして住むことになった場所、と言えるのかもしれません。
市内を拠点に活動中

市内を拠点に活動中

渕上久美埜さんは、神奈川生まれで、9歳から東京の調布市で育ちました。
演劇をきっかけに渡米し、呼吸と感情と体の動きのつながりを学ぶローゼンメソッドに出会い、これだ!と思ったそう。

20年ぶりに帰ってきた日本は、テクノロジーの進化した、渕上さんにとって、異世界のような場所になっていました。
「まさに浦島太郎みたいな感じ」
環境も、いろいろな作業の工程も、人との接し方の感覚も、何もかもが変わったように感じた、という渕上さん。
日々wi-fiが飛び交うような東京にいることにも馴染めず、生きやすいところ、空気も水も綺麗なところ…と、居場所を探し続けていき、「小田原」に行き着きいたそうです。まずは住む〝環境〟として。
それが、渕上さんにとっての、小田原の最初の魅力でした。

慣れてくると、自分より少し下の世代の人たちが中心になって開催するようなイベントにも、積極的に遊びにいくように。
〝農業〟や〝オーガニック〟について真剣に考えている人もたくさんいて。元々アメリカ、特に後半滞在したカリフォルニアでは、そういうことを考えることや話すことが生活の上で当たり前だったので、渕上さんは、とても居心地の良さを感じたそうです。
そして彼らは、ミュージシャンであったり、芸術家であったり、オリジナル商品を販売するクリエイターであったり…と、なんとも興味深く面白い!人々でもありました。「なんだこりゃ!小田原は!って(笑)」
彼らのような人が当たり前にいることを、まず、「すごい」と思ったそう。
渕上さんにとっては農業も自身の活動も、身体を綺麗にしていくという考え方の上で同じ。
仕事上、自然とのつながりは不可欠。自ずと小田原の環境は、「ああ、じゃあここかな。ここがいいかな」と思うようになっていったそう。

また小田原は、人と親しくなる速度、その輪が広がる速度が速いようにも感じると話す渕上さん。
「自分の活動を小田原でやってみよう」と考えるようになったきっかけも、その友人たちからでした。
民族楽器演奏グループ「小田原ディジュミー」のダンサーとしても活躍

民族楽器演奏グループ「小田原ディジュミー」のダンサーとしても活躍

友だちの友だちはあっという間に友だちに

友だちの友だちはあっという間に友だちに

江の浦のパン店・MUGIFUMIを会場にローゼンメソッドを行ったことも。

江の浦のパン店・MUGIFUMIを会場にローゼンメソッドを行ったことも。

「例えば何かをしようと思った時、背中を押してくれたり、場所を貸してくれたり、参加してくれたり、積極的に関わろうとしてくれる人が多い」と感じているそう。
渕上さんにとっては、〝環境〟以上に〝人〟が、小田原の魅力となっているのかもしれません。
ローゼンメソッド
ストレスセミナー
そんな2人のコラボ企画は、本木さんの〝ストレスについてのセミナー〟からスタート。

ストレスとはどういう状態か。ストレスを感じるのはどういう時か。どういう時に進行させてしまうか。
本木さんらしいわかりやすい口調で、考え方のくせに気づかせてくれます。
ペアを作ってのトークも。人と話すことの効果もストレスの特効薬として大きいそうです。
ストレス
ストレスセミナー
脳内が活性化されたあとは、渕上さんにバトンタッチ。〝軽く動いてストレスをリリース〟の時間です。
今度は、逆に何も考えず、意識を無にして、気持ちいい音楽にただ身体をゆだねます。
思うままに身体を動かしているとふしぎと心地よく楽しい気持ちになります。
身体の声に正直に自由に動いて、心身をリフレッシュしていきます。
最後は横になり、眠りとも違うひたすら静かな時間。知り、気づき、感じて、解放する。
ふだんから小田原で活動しているお2人。
直近の活動予定です。
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【本木和子】
4月には”働く人のための労働契約ミニセミナー”を社労士とのコラボ企画。
6月には”仕事帰りのドラムサークルin小田原”と題し、小さめの楽器を使い、輪になっての
コミュニケーションとアクティビティ。
[本木和子HP]https://odcatalyst.com
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【ローゼンゆるRMムーヴ(渕上久美埜)】
4月28日(日) ・5月14日(火)19:00-20:30
「ローゼン・ムーヴメント『喜・楽・動』」
(川東タウンセンター マロニエ)
[ローゼンメソッド・ムーヴメントHP]https://rosenmovejp.wixsite.com/yururm
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アメリカで過ごし、都内からやってきて、小田原で出会った2人の女性。
今回の企画のように、独自の活動を小田原で真摯に考えて、やろうとしています。
悩みながら、チャレンジしながら、こうやってタッグを組みながら、色々な人とつながりながら。
その情熱と一直線な姿勢が清々しいから、気になるのかもしれません。応援したくなるのかも。

今後の活動について聞くと。
本木さんは、こういったセミナー講師のほか、もちろんキャリア相談なども行なっているので、そちらの活動もどんどん広げていきたいそう。
また、渕上さんは、もともと企業人に対してローゼンをやりたいと思ってたこともあり、ビジネスパーソンなどの新たな客層についても考えていきたいとのこと。
2人がこの地でどう進化していくのか。これからも、ますます目が離せません。
目黒さん紹介

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