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レポート

2015.05.07
小田原の柑橘類の写真や二宮神社の写真

尊徳さんの教えが、ここに生きている
――― 小田原柑橘倶楽部、片浦レモン研究会

報徳の実践でまちを
元気にしたい

相模湾を望む気持ちのよい斜面に、段々畑が広がっている片浦地区は柑橘類の産地。みかん、レモンなどが栽培されている。

小田原産のみかんは、最盛期には北米に輸出するほどだったが、消費量の減少や、後継者不足などの問題が農家を悩ませていた。そんなとき、片浦地区のみかん農家でFM小田原の放送局長でもある鈴木伸幸さんと代々地元の草山明久さんが、「どうしたら片浦のみかん農家を応援できるのだろうか」と話し合いをした。これをきっかけに「人」「モノ」「金」を地域に循環させる目的で、2010年に「小田原柑橘倶楽部」が発足した。

発足後すぐに取り組んだのが、「早生せみかん」。パッケージのデザインにこだわり、「片浦みかん」と名づけ、年末に「お歳暮みかん」として売り出した。

また、「片浦レモン研究会」の皆さんが、30年前から栽培している低農薬レモンを使ったサイダーの企画販売にも取りかかった。片浦レモンは、収穫を終えた6月に1度だけ農薬を散布する低農薬栽培で、防カビ剤やワックスを使用しない貴重な国産レモン。そこで、見栄えが悪いだけで売れない大量のレモンを高値で仕入れて「片浦レモンサイダー」を誕生させた。「『果汁をくれれば、できないことはない』と工場の人に言われたので、当初はスタッフ総出でレモンを手絞りした思い出があります」(草山さん)

感謝の気持ちで
地域に推し譲る

「小田原柑橘倶楽部」では、小田原に生まれ育った二宮尊徳翁の「至誠」「勤労」「分度」「推譲」という教えを実践している。「誠実で一生懸命」「実行」「身の丈に合わせて足るを知る」「分度を立てて生まれた余財を、感謝の気持ちを込めて地域に推し譲る」こうした教えを地域のみんなと一緒に実践することが草山さんの役割でもある。

「小田原の風景は昔とほぼ変わりません。小田原は住めば住むほどいい所だなと感じています。海も山も川もあって、都内も富士山へも便利に行けます。尊徳翁は人やモノが持っている良さや、取り柄、可能性を『徳』と言いました。小田原にはその『徳』がまだまだいっぱいあると思います。私たちがそれを引き出して、最高の強みにしていくお手伝いができればいいなと思っています」(草山さん)

現在は毎年10トン以上の柑橘類を仕入れ、商品も増えている。今後も報徳精神で農家と地域の商工業者をマッチングし、「人」「モノ」「金」を循環させ、地域活性化につなげるエンジン役として盛り上げてくれそうだ。
片浦レモン研究会 (写真右から)会長の高橋秀直さん、宮崎昭治さん、廣井博直さん
片浦レモン研究会
(写真右から)会長の高橋秀直さん、宮崎昭治さん、廣井博直さん

1977年、外国産レモンの輸入が認められた際、県内の消費者団体から安全なレモンをつくってほしいとの要望を受けたことをきっかけに、農家とJAかながわ西湘が連携して片浦レモン研究会を発足。
みかん栽培が盛んな片浦地区で、全国唯一の無農薬レモンの栽培を始めた。片浦レモンは、ノーワックス・防カビ剤不使用の安心・安全な国産レモンとして、全国で好評を得ている。

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