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小田原お仕事レポート【あきさわ園 秋澤さん】

沼代(ぬましろ)地区で代々みかん農園を営む「あきさわ園」の秋澤さんをご紹介します。
 

柑橘の個性を見極める

小田原市の東部にある、旧東海道沿いに田園風景を望むことができる沼代という地域は、1000年以上続く歴史の中で、いまなお農家も多く、私たちも代々みかん農業を営んできました。近くの農家には、樹齢300年を超えるみかんの木が植わっていて、歴史を肌で感じられる場所です。
海が近く、温暖で、砂利も混じる土壌の斜面に立つみかんの木がつける実は、ぎゅっと詰まって味が濃いのが特徴です。みかんも人間と一緒で、少し荒波に揉まれて育ったほうが、個性が生まれて、いいものができるんです。
あと、みかんの敵は、水。雨が多すぎると味がぼんやりして美味しくないんです。みかんの畑が斜面にあるのは、そういう余分な水が自然と流れるからなんです。
原風景が残る沼代の棚田

原風景が残る沼代の棚田

田園風景が広がる

田園風景が広がる


現在、みかんを中心に湘南ゴールド・レモン・オレンジなど14種類の柑橘と、キウイやブルーベリーなども栽培しています。中でもキウイは、実が大きくみずみずしさの中にすっきりとした甘みがあるのが特徴です。12月に収穫したものを、いったん冷蔵室に移して徐々に熟成させて美味しい頃合いを見て出荷しています。

よく、美味しいみかんの見極め方を聞かれますが、わが子同然に育て、それぞれに個性があるからこそみんなかわいいんです。農家によって、畑によって、収穫時期や熟成度合、風の向きや強さによっても異なる個性の実になるんです。その個性を一番引き出せる状態で収穫するのが、農家の腕の見せ所なのかなと思っています。あとは、食す側の好みもあるのかな。
収穫期を迎えた『湘南ゴールド』

収穫期を迎えた『湘南ゴールド』

農業に対する思いを語る代表の秋澤さん

農業に対する思いを語る代表の秋澤さん

県知事賞を受賞したジューシで大ぶりなキウイ

県知事賞を受賞したジューシで大ぶりなキウイ


つながる農業

桃・栗3年、柿8年といいますが、柚子は大馬鹿18年とも言われています。柑橘は、実をつけるのに18年とも20年ともいわれる長い目で育てるものです。
だからこそ、生産者として、ただ作って売るだけではなく、2・3・4世代がつながる農業が目標にあります。
20年後・30年後を考えた苗木の植樹、販路の拡大や様々な活用方法を考えながら新たな商品開発などに取り組んでいます。
最近は、首都圏の大学を中心に学生の受け入れもしていて、個性を楽しむ農業のあり方を伝えています。
厳しいなかにも楽しみはあって、昨年先輩が収穫した梅で作られた梅酒を後輩がいただき、その後輩は次の後輩のために梅の収穫に励む、そんな循環が自然にできています。きちんと次に受け継いでいく農業を体感してもらうことが必要だと考えています。

今までの経験をこれからに生かしたい

農業に対する考えは、学生時代に世界中を旅して学んだ経験が影響しています。砂漠にできた水たまりでの栽培など、その場所でしかできない体験を4年間、アジア・アフリカ・南北アメリカなどで学びました。
日本は、四季もあって、栽培品種が多く、何より本当に穏やかな気候で、本当に恵まれているなと実感しました。

平成26年に地域の特産品である湘南ゴールドやみかんの規格外品を活用した6次産業化の計画が小田原で初めて農水省から認定を受けました。
今後は、より小田原らしい商品の開発を考えていることから、果実本来の素材を生かすための加工場の新設も考えており、ここでしかできないものづくりを目指していきたいと思っています。
秋澤さんご夫妻

秋澤さんご夫妻